ダイヤモンドの鑑定のポイント1

現在これをご覧の皆さんは、「鑑定」という言葉を今までに耳にしたがあるかとも思います。ところで皆さんがこの「鑑定」という言葉を聞くと、それはまるで骨董品か何かの鑑定をイメージするのではないかと思います。それもそのはず、最近は視聴者の持ち込んだ、或いは視聴者の自宅等に長らく眠っていた骨董品の鑑定を行なって、そしてその値段を判断する、なんていうテレビ番組があったりするので、鑑定という言葉もすっかり市民権を得て、私達の生活の中に定着したような気もします。このようなテレビ番組を見ていると、時に一見つまらない、大したことのなさそうなものがびっくりするような高い値段を付けたり、その逆に一見随分と値段が高く立派に見える物が、鑑定の結果意外にも大した値段にならなかった、ということもあります。鑑定にはそれぞれドラマと意外性があって、傍から見ていればなかなか面白い物が有ります。
ちょっと鑑定に関して脱線してしまったのですが、勿論鑑定という言葉には骨董品等に関したそうした意味もあるのですが、それとは別に宝石の世界でも鑑定と言う言葉が使われます。そしてよく鑑定に似た言葉で、鑑別という言葉と対比して使われることが有ります。皆さんはこの「鑑別」という言葉を聞いたことがお有りでしょうか。この両者の意味は、一見すると殆ど大差がないようですが、実はちょと異なっています。それは「鑑別」が宝石全般に使われるのに対して、「鑑定」という言葉の場合はダイヤモンドにのみに関係するということです。つまりは「鑑定」という名の作業をを通じて、ある石がそれが果たしてダイヤモンドであるのかどうかを調べます。そしてそれがもしも確かにダイヤモンドであると証明されたなら、その結論のうえに立って、今度はそのダイヤモンドの評価を行ないます。それがダイヤモンドの鑑定です。
ダイヤモンドと「鑑定」の関係に触れてから、次に具体的な話を進めていきます。
ここではダイヤモンドの鑑定を行なう際に、実際に見ていくポイント、評価のポイントについて紹介していきます。ダイヤモンドの鑑定は専門の資格であって、この資格を持ったプロフェッショナルだけがこうした鑑定と言う作業を行なうことができます。ではこのダイヤモンドの鑑定の専門家は一体どうやって鑑定を行なっているのでしょうか。ここではそんなダイヤモンドの鑑定の世界を覗いてみましょう。
①Ｃａｒａｔ（カラット）
皆さんはカラットという言葉を聞いたことがあるかと思います。宝石の世界では欠かすことのできない言葉だとも言っていいでしょう。それではカラットとは一体どういう意味なのでしょうか。これは以外に多くの人が知らずにいるかもしれません。カラットは宝石の重さを表す単位です。よくカラットという言葉を使いますが、それでは1カラットが幾らに相当するかはご存知ですか。カラットをグラムに換算すると1カラットは0.2ｇと決められています。このように非常に小さい数字なのですが、ダイヤモンドの場合カラットを正確に量ることが求められます。ダイヤモンドは皆さんもご存知の通り非常に高価なものですから、ちょっとでも重量に誤差があったりすると大変なことになります。従ってダイヤモンドのカラットを量る際には、特別の電子天秤を使って量ります。こうして正確に正確を期しているのです。
②Ｃｕｔ（カット）
カットは勿論そのまま、切ることを意味しています。ダイヤモンドにとってカットは非常に重要な意味をもっています。何故ならダイヤモンドのカットは、ダイヤモンドの美しさを引き出すたいへん重要な要素だからなのです。たとえ良質なダイヤモンドがあったとしても、もしそれが上手にカットされていなければ、美しく輝くことはありません。言い換えればカットの上手さ、美しさがダイヤモンドの美しさをも決定しているとも言えるのです。それだけダイヤモンドにとってカットは非常に重要な意味を持つのです。
ダイヤモンドには普通、ラウンド・ブリリアント・カットという、特殊なカット形式が施されます。これはダイヤモンドの光学的特性を生かし、その美しさを最大限に引き出すためのカットだと言われています。ここでは少し難しい説明になるかもしれませんが、ダイヤモンドのカットについて紹介します。
先に書いたようにダイヤモンドのカットの仕方がダイヤモンドの美しさを決定します。もし理想的にカットされたダイヤモンドでしたら、光の反射と屈折も理想的な形となり、最も美しい輝きが見られます。ここでダイヤモンドのカットをイメージしていただくために、少しカットについて紹介してみることにしましょう。
皆さんはこんなダイヤモンドを想像してみてください。通常のダイヤモンドは野球のホームベースに近い形をしています。実際にはホームベースに比べて、ダイヤモンドは横幅が少し膨らんでいます。ホームベースで言えば、上側の横に伸びるまっすぐなラインを「テーブル」、そこから下に伸びた面を「クラウン」、そしてホームベースで言う下側の長い線を「パビリオン」と言います。